仕事のプレッシャーに押しつぶされそうな日々の中で、私は家族との時間をほとんど持てていませんでした。毎朝早く家を出て、帰宅する頃には子どもたちは寝静まり、配偶者との会話も簡単な挨拶程度。週末も仕事の疲れを癒すために寝て過ごし、家族とのふれあいはほとんどありませんでした。そんな中で、心身ともに限界を感じ、ついに休職を決断することになりました。
休職が始まると、最初は不安と孤独感に苛まれました。仕事をしていない自分に価値がないのではないか、家族に対して罪悪感を感じることもありました。しかし、次第に「今だからこそできること」に目を向けるようになりました。そして、その答えは家族との時間にありました。
休職中のある朝、いつもより遅く起きてリビングに行くと、子どもたちが嬉しそうに私を迎えてくれました。その笑顔を見た瞬間、自分がどれだけ彼らとの時間を犠牲にしてきたのかを痛感しました。それから、毎朝子どもたちと一緒に朝食を作り、学校へ送り出すことが日課になりました。その時間が、私たちにとって新しい絆を築くきっかけとなりました。
日中は、これまで以上に家族と一緒に過ごす時間を大切にしました。公園で一緒に遊び、図書館で本を選び、家でゲームをしたり映画を見たりする。これらの活動は、家族全員にとって楽しいだけでなく、私自身の心を癒す貴重な時間となりました。
特に印象的だったのは、家族で夕食を囲む時間です。仕事に追われていた頃は、夕食の時間さえも取れないことが多かったのですが、休職中は毎晩家族全員で食卓を囲むことができました。子どもたちが学校での出来事を楽しそうに話し、配偶者との会話も深まりました。その時間が、私たちの絆を強くする大切なひとときとなりました。
